大学生日誌
十一月X日
今日、僕は三連勤目を終えた。これまでn連勤は何度も繰り返したことはある。しかし何度n連勤を繰り返しても労働時間に拘束されている間は、多かれ少なかれ神経を使うので、後でジンジンと響く疲れ方をするのがバイトのいやらしい所だ。
さて、明日僕は秋田へボッチで旅行へ行ってくる。というのも”きらきらうえつ”という列車が普段は酒田までしか走らないのだが、この三連休だけは秋田まで延長で運転されるのである。
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十一月X+1日
今は秋田へ向かう"きらきらうえつ"の車内である。今は岩船町駅を通過し、そろそろ村上に滑り込まんとしている。今日は僕の日頃の行いが良いせいか、朝から気持ちよく晴れた。
しかもまた運良く隣の人が可愛い感じの女の人だった。こういう時、僕は変態なので隣の人が塗っているハンドクリームの匂いや髪のシャンプーの匂いを嗅ぐことだけは忘れない。やっぱり女の子っていい匂いがして最高だ。うん、最高だ。
これを書いている間に村上を出て海沿いを走る区間に入った。ここで海に浮かんで見える稜線は粟島なのだが、周りの人がみんな「あ!あれ佐渡だ!」と口を揃えて話している。放送で「進行方向左側奥に見えるのが粟島です。周囲約23km程の小さな島で…」と粟島の紹介をし始めた瞬間「あ、あれ佐渡だと思ってたわ〜」とまた口を揃えて言っているので少し得意になってしまった。「あれは粟島だぞ!佐渡があんなに小さいわけ無いだろ!」と心の中でツッコミを入れつつ、列車は一路秋田を目指している。
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秋田から新潟に帰還して、モードオフで古着を買ってラーメンを食べて帰宅。早速前の人が使ってた洗剤の香る古着に着替えて友達の家へ向かった。今はセブンで買ったピルクルを飲みながら、前図書館で借りた本を読み終えたところだ。
"タクシードライバー日誌"。実際のタクシードライバーが自身の10年のドライバー経験談をエッセイ形式で綴った本である。実はこの本1年前くらいから図書館に行く度目について気になってた本なのだ。その本を先日ようやく借りて読んだのだが、やっぱり第六感は正しかった。
長時間労働。肉体的疲労。事故。客との諍い。ノルマの達成への焦り。そしてまた事故。警察、政治、社会への行き所のない憤り。
そういったものが生々しく綴られるこの本は見ててスイスイと読み進めることができた。"二十歳の原点" "アルジャーノンに花束を" とか、エッセイ形式の本って、人の日記を読みながら秘密を覗いてる感があって僕は好きだ。いけないことをしてる感がとても好き。推理小説を筆頭にほかのノーマルな小説でも途中でギブアップしてしまうことが多い僕でも、エッセイだけは途中で放棄したことは一冊も無かったように思う。何か他に面白いエッセイの本を読んでみたい。
さーて、明日は2限からゼミだ。今から大学に行くのが憂鬱だ。