進路確定

将来の夢:ヒモ

帰省した

ばーちゃんが倒れた。

 

と連絡が来たのが2日前。今日はばーちゃんのお見舞いに実家に急遽帰ってきた。

1日で30分間だけ用意されているお見舞い用の時間になり、ICUへと入ってばーちゃんを見た僕は拍子抜けした。いつも見慣れている腰の曲がった、茶色に染めた髪が少し癖のある、僕を見ると「おお!」と喜んで迎えるばーちゃんはそこには居なかった。

そこに居たのは腕や頭や腰に管を指した、髪の毛が全部剃られた、グッタリしているばーちゃんとは違う別の生き物だった。

僕が近づくと辛そうに目を開けて、耳元で「俺だよ帰って来たよ」って言うと、点滴から得た微かなエネルギーを使ってうんうんと首を動かすばーちゃんは見てて辛そうで正直泣きそうになった。しかし、昨日の昼は目も開いていなかったらしく、これでも大分良くなったと叔父さんが話しており少しだけ安心した。ちなみに今はグッタリとしているが、手術は無事成功したらしく命に別状はないらしい。

 

ばーちゃんとの思い出で一番覚えているのが、幼稚園の頃に庭先で一緒にヘリコプターを見たことだ。「あのヘリコプターで写真撮ってるらしんだぁ〜。ばーちゃんと○○(僕の名前)が二人で写真写ってるかもしんねーべな〜…」と言ったばーちゃんと「へぇ〜〜ヘリコプターで写真なんか撮れるんだ〜…」などと考えながらボケーっとヘリコプターを見てた僕はバッチリ航空写真に写されていた。それを知ったのは小学校に入った時。実家が小学校に近いのが功を奏して、職員室の前に飾ってあった小学校の航空写真にバッチリとアリくらいの大きさの僕とばーちゃんが写り込んでいたのだ。

僕は意気揚々と同級生に「俺とばーちゃんが写ってる!!!!!見て!!!!!」と自慢したが、誰一人として「すごいね!」と言ってくれる人はおらず、「ふーん…」と微妙な反応をされたのを覚えている。

他にもいつも同じ具材でザ昭和な味がするカレーを作るばーちゃん。訛りがキツ過ぎて何言ってるか分からないじーちゃんと交信するばーちゃん。昼寝に行くと煎餅なりミカンなりを必ず出してくれるばーちゃん。サイダーが好きで箱買いしてガバガバ飲むばーちゃん。餅つきで杵に頭を潰されないかヒヤヒヤしている僕を横目に鮮やかに餅をひっくり返すばーちゃん。

 

ばーちゃんの印象は尽きない。

 

早くサイダーをガバガバ飲む元気なばーちゃんを拝みたい。